これが問題のフロントまわり。異常なくらいトレッドが広げられています。おかげで真正面から見ると前輪がフロントカウルから完全にはみ出ています。「前輪を小さくして空気抵抗を減らす」というメリットがすでに失われています。逆に言えば、そうせざるを得ないほど状況が悪かったのでしょう。
サイドビューはウェッジシェイプが効いてて精悍に見えますね。
よくこのマシンは「重戦車」って呼ばれます。なんとなく納得。
【実車解説】
76年に活躍したP34は77年にはフルカウルを与えられ空力的に洗練されたボディを与えられたが、その分重量が増えてしまい思ったほどの戦績を挙げられなかった。しかしそれより深刻だったのが前輪の小径タイヤの開発が行われなかったことであった。
後輪は全チーム共通のためグッドイヤーもタイヤ開発をして性能が上がっていったが、P34専用である前輪の小径タイヤは開発がされなかったため、タイヤグリップのバランスが前後でとれなくなり、ハンドリングの悪化を招いてしまった。
その対策としてチームは後半戦よりフロントのトレッドを広げた改良を施してきた。これがP34後期型である。
その効果があったのか77年の終盤戦ではデパイユが連続で表彰台に上る活躍をしている。(含む日本GP)
この角度から見ると前期型とほとんど変わりませんね。フロントのトレッドが広がっているのが目立つくらいの差でしょうか。
塗装は例によってモデラーズのブルーとスーパーホワイトです。
【モデル解説】
ホビーベースカスタムというところのレジンキットです。スケールは1/20なのでタミヤと同スケールですし、一部(というか多くの)パーツはタミヤのキットから抜いているようです。
サスペンションまわりはメタルなので強度充分です。
ただタイヤもレジンで抜かれていたうえ、硬化時に縮んでホイールが入らなかったのでタミヤのキットから流用しました。
フロントカウルはピーターソン用とデパイユ用の2種類が入っています。(微妙に形状が違うのです)
作者:めが
ある意味不細工なマシンですが、個人的にはこのなりふりかまわない改造がいい感じに思えます。
キットはモノコックとカウルがレジンでサスアーム類がホワイトメタル製です。精度的には「まぁまぁ」のレベルでしたので苦も無く完成できます。
前期型からはボディカウルの上側(白いところ)の前の部分にエアインテークが増設されたのでスポンサーロゴが横一列に書かれています。またウィンドシールドが大きくなっています。(やっぱりドライバーが前輪の動きを見たかったのでしょう)
またノーズにオイルクーラーが増設されたので、顔の印象も前期型に比べずいぶん無骨になりました。エルフのロゴもおかげで変則的に張られていますね。
タイレルP34/2(77年後期型)