丸裸にした状態とかぶせた状態。

フロントボックスがほとんど無いのが70年台F1の恐ろしいところ。そりゃクラッシュしたらドライバーの足からいくよ。

燃料タンク(ドライバー直後)も大きめなのでモノコック自体が少し太めです。
が、それよりもはみ出してしまうボクサー12気筒エンジン。
冷却系もどでかいですよね。

でも模型として組み立てるのは非常に面白いですよ。





上からみてもサイドウィングの前方に構造物が多いのがわかります。
本当にウィングカーらしくないウィングカーです。
センター部分のカウルの終端処理もなんかなげやりっぽいな(w


カウルを外した状態。
近年のレーシングカーには無い銀色が眩しいです。

サスペンションは基本的にパイプフレームで構成されています。よく剛性大丈夫だったなぁ。(実車ね)
これまたパーティングライン消すのがひたすら面倒です。

12気筒なのでパーツが多い多い。
電装系もコードがぐちゃぐちゃになりがち。そういえば銅線で縛ってまとめるというのも最初からキットの手順に組み込まれていました。そういう意味ではディティールアップのお手本をこのキットで教えてもらったような気もします。

エキパイは伝統の(?)白なんですが、表現が難しいですね。
(実感が沸かないので)
なので基本的に素です。ちなみに塗装はベースホワイトそのままという豪快な手にでてます。普通より塗装面が荒くなるので、こちらの方がフラットホワイトで塗るよりいいかなと思ってます。

左が1980年の312T5(プロター)、右が1879年のT4(タミヤ)。
コンストラクターズランキング10位と1位です。(うわぁ)

でも、形状的にはT5の方がカッコいいなぁ。
マイナーチェンジかと思われがちな2車ですが、並べると全然ちがうのがわかりますね。
「駿馬と駄馬を比べてみよう」


横からみるとウィングカーのシルエットになってますね。
フェラーリは開催するグランプリの各国ディーラーのステッカーを貼っていて、キットは最初からそれがデカールで用意されていました。(前の方の黄色いやつ)

今回はジル・ビルヌーブ車にしました。
前に作った時がシェクターだったので。
どちらが好きかと言われると個人的には微妙カナ。それほどビルヌーブに思い入れって無いんですよね。(速いライバルだったからかも)

シフトレバーのバルジが70年台のクルマですね。
Hゲートシフトが無くなってそろそろ20年くらいになるのでしょうか(今は2014年)。
リアセクション。
この頃のフェラーリを作る時にいつも妥協してしまうのが、エアインテークの色。飴色のような時もあればデッキタンのような時もあるし、さまざま。私はあの飴色を再現できるテクが無いのでデッキタン一択で。

スタンダードなウィングカーはリアエンドまでカウルで覆うことが多いのにモロ出しです。やっぱり「空力>馬力」思考だったんでしょうね、当時のフェラーリは。

それにしてもタミヤのミシュランタイヤはいい出来です。
当時、全面に特徴のポツポツが再現されているのを見た時は驚いたなぁ。
コクピットはインナーカウルが白いのでなんか奇妙な感じです。
シートベルトが・・・ついてません。 なぜならP34に転用したからです(w
フロントのセクションはなんでこんな処理なんだろう?ウィングカーならサイドポッドにできるだけ空気を多く流すのがセオリーだと思うんだけど。
でも、シーズン6勝しているのよね、このクルマ。

ウィングカーとは思えないシルエットを持つT4ですが、当時私はP・デパイユのファンだったので当然「開幕から絶好調!」だったリジェJS11を応援していたのに、いきなりフェラーリの新車が速かったので嫌なクルマが出てきたなぁ、という悪い印象を抱いた一台でした(w)

タミヤも79年のダブルタイトルマシンということでかなり力を入れていたようで、タイヤの新作成(これまでグッドイヤー車ばっかだったので必然ではありますが)、12個のエアファンネルのネットの同梱、シートベルトの再現(シール型式ですが)など、シリーズ初めての試みがいくつもありました。

マシン形状からアッパーカウルは全体で1つという非常に大きなパーツになっています。そういえば後の641/2も同じようにデカイカウルが入ってますな。

70年台のフェラーリのプラモデルの場合、気になってくるのはデカイフロントとリアウィングの表現ですが、私はキットのメッキをそのまま使用しています。メッキの技術があまりよろしくない海外メーカーでは悩みますが、タミヤなら無問題です。



【実車解説】
言わずと知れた1979年のチャンピオンマシン。
前年の”ロータス79ショック”から新車をウィングカーとすることが必須だったが、サイドウィングの面積確保が不利な幅の広い水平対向12気筒エンジンを使うフェラーリが繰り出した最大公約数的なウィングカーが312T4である。
サイドウィングが大きく取れないダウンフォースを補うためかT3同様に大きなフロントウィングを持ち、サイドポッド前縁部も広い平面部を持つなどウィングカーのセオリーから外れたデザインとなっている。
しかし、デビューレースの第3戦南アフリカで1-2フィニッシュを決め、続くロングビーチGPでも1-2という驚きの速さを見せた。
シーズン後半はウィリアムズFW07に圧倒されたが、J・シェクターがG・ビルヌーブのサポートを受け着実にポイントを稼ぎ、第13戦イタリアGPで6戦ぶりの優勝を1-2フィニッシュでチャンピオンを決めるというマンガのような展開でシェクターが栄冠を勝ち取った。が、それ以降フェラーリは長い低迷期に入り(不運もあったが)、次にドライバーズチャンピオンを取るのは2000年のM・シューマッハまで待つことになる。

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【モデル解説】
タミヤの傑作1/12です。
初めてミシュランタイヤがつくり起こされ、エアファンネルやシートベルトが初めて再現されたキットでした。
もちろんエンジンも新設計なのでパーツが多いのなんのって、何が面倒ってエキパイが多いのでパーティングライン消すだけで腕が腱鞘炎になりそうですが、組立自体はなんら問題なく完成までいけます。
プロターからも同じ1/12でT4がありますが、Mっ気が強い人以外はコッチを作った方がいいと思います。
発売当時にも作ったこともあったりで今回が3回目の制作。
デカールは死んでいたのでサードパーティ製を使用。剥離は苦手なので転写版を使いました。各部の白ラインや側面の白部分もデカールです。
カラーリングはタミヤスプレーの赤というド直球。ほとんどこの一色なので楽といえば楽です。

作者:めが
フェラーリ312T4  (1979年)