ドライバー保護のデバイスなんて何も無い時代なので、本当にコクピットは皮一枚ですね。
コクピット前縁部のふくらみにメーター類が収められているのと、その前方にフロントダンパーが格納されています。

モノショックはその後しばらくF1のトレンドになりました。
本当にタイレル発信の新デバイスって多いですね。(データロガー、モノショック、ハイノーズ、Xウィングetc)反面奇策も多かったけどね。(6輪、全輪フロントタイヤとか)
フロント部が特徴的な018ですが、リア部分も極限まで小さくするためほとんどエンジンの突起部分がそのままカウルのふくらみになっています。
ボディ全体でそれなりにダウンフォースがでていたためかリアウィングはかなり小さいものがついています。

ちなみにリア部分は翌年の019でもほぼそのまま踏襲されています。91年にホンダエンジン用にモディファイした際にはデカいホンダエンジンのために肥え太ったような”だぼーん”としたような締まりのない形状になってしまいます。
左が1978年のタイレル008、右が1989年のタイレル018.実際は11年の差です。
しかし、本当に同じカテゴリのクルマかっちゅーくらいに変わってますね。
ドライバーの居住性はものすごく悪化していますが、安全性は比べ物にならないくらい進化しているのが面白いですね。
いまと違ってカーナンバーがチームのアイデンティティとなっている(タイレルのナンバーは3と4)のが懐かしい。やっぱりそういうのは必要じゃないかなと思うのよバーニーさん。
「10年間のF1の変化をみてみよう」
自然光で撮影してみました。
暗いんですが、なんか本物っぽい空気がでますね。自然ってスゴイ(<イヤイヤ)

一説によると018は本来「フェラーリF189」になるはずのデザインだったという話もあります。ジョン・バーナードに追われてフェラーリから来たポストレスウェイトの仕事だからということから来た都市伝説だと思いますが。(昔のモデグラにそんなマンガが載っていた。話としては面白いんですが、ドラマチック過ぎ?)

フロントウィングの主翼はメタルパーツで取り付け用にポッチがついていたのでノーズの方にそれ用の穴をドリルでホジホジしていたのですが、勢いあまって上面まで貫通(!)させてしまいました。既にカラーリング&クリアコートも終了していたのでショック大きく一時は目の前真っ暗で、10年ホビーショーへの出品は見送りにしようかと思いました。
が、「大きなウソはバレナイ」という名言が頭に浮かんだので、考えたあげく、穴の部分に”Ford”のデカールを貼ってごまかしました。実車にはこんなステッカーは貼られていません。
でも、エンジンDFVだし、012の時もここにFordマークがあったし全然違和感ないっしょ?(このFordのデカールは1/43のシルバーラインのタイレル012(イギリスGPver)用から流用しました)
コクピット横にシフト用の逃げのふくらみがあるのが70年代っぽいな。
キットはモナコGPバージョンなのでサイドポンツーン側面にエアアウトレットがあります。が、ちゃんと付属で蓋パーツも入っているので、塞いでメキシコGPバージョンにすることもできます。
ペンシルノーズとでもいうべきかものすごく細身のフロントノーズ。
単なる直線でなく、いったん途中でくびれているのがなんとも言えずセクシー。反面フロントウィングの形状自体はすごくシンプル。
アルボレートのヘルメットは手書きです。マルボロマークはデカールのストックから。

象徴的なティレルカラー(単に貧乏くさいだけなんだけど)バージョンにしました。後半戦にアレジがキャメルをつれてくるとエンジンカウル部分が黄色くなります。(これも悪くはないのですが)さらに終盤の日本GPではオートバックスがスポットスポンサーについたのでサイドポンツーン側面とフロントウィングが橙色になります。(これはちょっと・・・)
さらに90年に019ができるまでは018が使われて白の面積が増えて日本人にはおなじみのカラーリングになります。これも好きだけど、イメージ的に019の方が強いんですよね。

キットもそれぞれのバージョンで販売されてるんですが、お値段いっしょなのにデカールの量がこのバージョンはめっさ少ないので、関西人としてはちょっと納得いかない(笑)。他より500円くらい安くてもいいんちゃう?

塗装はほとんど青と黒2種(マットとセミグロス)しか使ってません。
個人的にフロントやリアのウィングやアンダートレイにツヤがあるのが嫌なのでこれらはフラットブラックです。サスアーム類はセミグロスブラックにしています。



【実車解説】
タイレルチームは88年の失敗作017Bの後を受け、フェラーリを追われたハーベイ・ポストレスウェイトとジャン・クロード・ミジョーを招聘し新型018を開発した。
018最大の特徴はフロントサスペンションに初めてモノショックを採用していることである。通常ショック(ダンパー)は左右に1本づつで構成されるが、これをリンクで接続された1本のショックで賄う構成になっている。これによりノーズを極端に細くデザインすることができ、空気抵抗を低減させたスリムな形状とすることに成功している。また理論的にはコーナリング時にロールをしない構造になるため、フロントのダウンフォースの発生量の変化を抑えることができる反面、小さなRのコーナーでは内側のタイヤが浮くというようなデメリットもあった。また、018はノーズの先端の下面が持ち上げられており、シャシー下面への空気量を増やすトライが行われている。(後のハイノーズにつながる処理)
第3戦より投入された018は第5戦メキシコでアルボレートが3位を獲得してチームに83年以来6年ぶりの表彰台をもたした。(84年はノーカン)
後半の新人ジャン・アレジの活躍もありチームはコンストラクターズ5位で(前年は8位)終えることができた。

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【モデル解説】
スタジオ27のレジンキットです。018は歴代タイレルの中でも1、2位を争う私の大好物です。以前モデラーズから自社の019のプラキットにレジンのモノコックを追加した018のキットが発売されていましたが、惜しいかな1/24でした。1/20のレジンキットは日本製、ブラジル製とかいくつか出ていたのですが、「しおしおのぱぁ」なモノが多く、近年やっとスタジオ27から決定版がリリースされました。
ACE(ブラジル製)のキットはタイレル022のようなノーズ形状で側面にエッジが立っていて違和感があったのですが、これはバッチグーで018の特徴の丸く細いシャープなノーズがうまく再現されています。ただノーズ下面のプチハイノーズが再現されていないのがちと残念です。
カラーリングはバリエーションがいくつかありましたが、迷うことなくメキシコGPの3位入賞タイレルブルー版です。なので塗装はめっさ楽でした。塗料は同時進行の008と同じくタミヤスプレーのブルーです。実は一箇所大失敗をしているのですが、それは後述で。
ドライバーは勿論ミケーレ・アルボレートです。

作者:めが
タイレル018  (89年メキシコGP)