【モデル解説】
今回、「電撃ガンプラ王2001」出品用として作成してみました。
エントリー部門を、無謀にも「プロモデラーオーディション部門」としましたので、プロモデラーに要求されそうなスキルをいくつか想定し、それを達成するのを目的に作業をすすめました。

課題1:見た目にカッコ良いこと。
□ 百式ベースのガンダムならばカッコ良いだろう。
□以前、全く同じネタで1/144で作って結構ウケたので、まあカッコ良いんだろう。
□多少はデザインをアップデートさせよう。

課題2:実際の手間を出来るだけ省いて、可能な限りイメージを変化させたい。
□流用パーツ、複製パーツ、市販パ−ツの有効利用。(できるだけセンス良く)
□ 塗色の変更によるイメージ変更は、ありきたりだが効果が高い。
□ できれば「あっ」と言う間に完成させたい。(プロはスピードも重要)

課題3:できるだけ安く。
□MGでなく、充分出来の良い旧キットをベースとする。
□各部の変更により余剰部品となるべきパーツを加工して使用する。

課題4:設定上、できるだけ無理が少ないこと。
□ そういう機体設定をでっち上げる事にしよう。
以上のような課題を設定し、それぞれをクリアすることで結果的にそこそこのレベルに持っていけるんではないか?という事で、ほぼ目論見通り進める事ができました。

結果、総作業時間はのべ約20h、総費用¥4,000程度に収まりました。
まあオッケー。

 これらの変更により、機体の総重量はさほど大きく変化しなかったものの、その重量配分は大きく変動し、ジェネレータ出力、総推進力、操作に対する反応性などは大幅に向上したし、マニューバソフトウェアのアップデートとも相まって、理想的な「扱いやすい高性能MS」として仕上がった。
 一方、機体としての問題点としては、そのまま実戦投入するにはやはり機体の耐久性が低い事、プロペラント及びエネルギー関係の持続力が低く、どちらかと言えば瞬発力型のMSであること等であるだろう。
(どちらもBWS装着によってある程度回避できる問題ではある)

 後に完成した『リ=ガズィ』は、量産向けに本機の信頼性・耐久力を向上させる方向で設計されたため、全般的に性能をある程度デチューンされており、性能面でいえば『零式』の方がかなり高い。
(UC.0090時点の技術で製作可能な第二世代型MSとしては、ほぼ究極の性能に達したとさえ言える。)

 本機の「高性能素体MS」の開発経験は、後のνガンダム開発に際しても大きく役立つこととになった。

 『零式』の主なパイロットは、ゼータプラス隊の隊長からテストパイロットとして転属となった、「伝説のガンダム乗り」こと、アムロ=レイ大尉である。(そのままνガンダム開発チームに移籍して行くことになる)

 『零式』の名称は、「UC.0090作成」という他に、開発者のM・ナガノ博士(アナハイムエレクトロニクスより出向)によれば、「もう改良すべき箇所が無い」という意味を併せ持っているらしい。
(アムロ=レイ大尉の名前に引っかけたとも、一部ではうわさされている)
『零式』『百式』からの主な変更箇所は以下の通り。

@ 頭部
 非常に実験的な「マルチセンサー」方式から、オーソドックスなガンダム系の「デュアルセンサー&V型ブレードアンテナ」方式に変更。
頭部バルカンの携行弾数増大。(ゼータプラス用のパーツを一部流用)
A 胴部
 機内プロペラント容量の拡大および軽量化のため、胸部装甲板形状を一部変更。
BPの変更に伴い、胴体からのプロペラント移送パイプの廃止
ジェネレータを新型の軽量高出力タイプに換装し、エアインテーク新設。
 アームレイカー式の連邦軍次期標準型コクピットに変更。
 BWS装着時の高加速度に対応するため、腰椎ブロックを強化し、腹部のラバー外装を通常の装甲板タイプに変更。
B 脚部
 推進器ブロックを増設。
 各部アクチュエータ強化。
 重量バランス調整のため、装甲板追加。
C腕部
 エウーゴ解散に伴い大量に余剰部品となった『ネモ』用のシールドを装着。 (腕部マウントラッチ部分がエウーゴ規格のままで変更不要となるため)
 肩ブロック部のバーニア強化。
DBP部
 2連ウイングバインダーを廃止し、シングルのロングテールスタビレータに変更。
 緊急時補助推力装置追加。
 BWS接続を考慮して、コンパクト化及び構造強化。
Eその他
 エウーゴ規格の消耗部品のうち、代替可能なものを連邦軍標準規格の物に変更。

(ライフルのEパックやエネルギー伝導管、各部バーニアノズルなど)
外部からの機体状況確認に支障があるため、全身の金色コーティングを廃止し、ZZガンダムに使用されたのと同タイプの対ビームコーティング塗料に変更。

 『百式』は「素体としてのMS」と見た場合、UC.0087当時としては極めて高い完成度と性能を有していた。
全身金色である以外には、カタログスペック的に一見これと言った特筆すべきポイントの無い第二世代型MSでありながら、実戦においては、サイコミュ搭載の第四世代型MSである『キュベレイ』『ジ・オ』互角に渡り合うことが可能だったのである。
(パイロットの技量の面でも、上記サイコミュ機のパイロットは間違いなくトップエース級であり、いわゆる「性能を腕でカバーする」といった論法は通用しないにも関わらず、である)
また、その機体構造はプロトゼータガンダムのフレームから変形機構をオミットした設計であったので、今回要求される仕様にまさにピッタリ一致するものでもあった。

 なお、UC.0090当時、「ゼータ系量産機」としては、既に『ゼータプラス』が存在し、ある程度量産・部隊編制され、実戦運用もされてはいたが、本来エゥーゴ製の『Ζガンダム』をカラバにて大気圏内専用機として量産向けに設計変更されたものを連邦軍にて大気圏内外両用に再変更するなど、性能的にも構造的にもかなりクセの強い機体で、調達価格も量産機としては非常に高く、次期主力量産機のベースとするには不適であるとされた。


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【機体解説】 作者:へてかるぴ

 MSN−00000『零式』は、UC.0090における連邦軍次期量産型MS(後のRGZ-91『リ=ガズィ』)開発計画の為の、基礎データ収集用実験機である。

 次期量産型機の基本仕様として、「非変形」の「ゼータ系」という骨子が既に決定していたので、要求仕様に近い性能を持ち、データ収集に適した『百式』をベースとした機体を作成することとなったものである。
 基本構造は『百式』そのままであるが、各部に想定される仕様に合わせたマイナーチェンジが施された結果、オリジナルとは全く別の機体となってしまったので、分類の便宜上独立した型式番号とコード名を与えられた。
 計画当初、制式名称が決定するまでの一時期は、『リファイン=ガンダム=デルタ』を略して『リガード』とも呼称された。
 この呼称方法を踏襲して、後に完成した新型量産機は『リ=ガズィ』と名づけられた。

 本機のベースとなった『百式』は、一般にはエウーゴのクワトロ=バジーナ大尉専用のワンオフカスタム機であると認識されているが、本来は、新規開発技術のデータ収集用実験機をそのまま実戦投入したものであり、ごく少数ではあるが、数機程度が製造されている。
(クワトロ大尉の使用した1号機が未帰還となった後、さほど日を置かずに組立・調整済みの2号機がアーガマに搬入されていることからも明らかである)



MSN-00000 零式