今回の一言
手間をかければかけるだけ、特徴なく地味になってゆく…タックファルコン、恐ろしい子!!

実は全ウルトラシリーズ中でも最大級の航空機で、MACの基地からはみ出ているマッキー号(82)や、UGMの「宇宙戦艦」ことスペースマミー(150m)よりも巨大です。
それどころか、2012年時点での海上自衛隊の最大の艦「ひゅうが」が199mというのですから、かなりの巨大機です。
これより大きいのは『ザ☆ウルトラマン』に出てきた分離合体巨大宇宙戦艦ウルトリア(300m超)しかありません

こいつが(さすがに毎回ではないものの)頻繁に撃墜されるのですから、TACがすぐに解散したのもやむなしかも・・・

塗装ですが、ほぼ銀色一色で設定上は超巨大。という事なので、実は少し困りました。スジ彫りだとスケール的に大げさだし、塗りわけだとハッキリしすぎるし・・・
という事で、以前製作したウルトラホーク1号塗装の際にたまたま発見した、名付けて『シルバー・クリア複数回重ね吹き攻撃』で、全体の間を持たせる事にしてみました。

シルバーベタ塗りクリアベタ塗りマスクしてシルバーマスク剥がしてクリアマスクしてシルバー剥がしてクリア(以降繰り返し)一度研ぎだして最後に仕上げクリアです。
表面は平滑ですが、塗装に極細のラインが見え、部位ごとに色は同じでも、反射具合が微妙に異なります。異常に乾燥時間が掛かるのがネックなんですが


(ウルトラマンA)

■改修内容
1
:腹の減量
2
:各部垂直翼の小型化
3
25mm延長して1/700スケールに合わせ
です。

特に許せなかった部分が"ボテ腹"で、下半分の胴体パーツは、ほぼ底板一枚しか残ってません。
次にコクピット窓の数が違う(8枚窓のはずが6枚)ので、完全に埋めて塗装で再現しました。実は当時のプロップも特大のもの以外は黒塗りだったそうで、ある意味、忠実再現といえるかも
ここまで進めてきた時点で、何か寸詰まりに感じたので、少し前後に伸ばしてプロポーション修正をする事にしたのですが、「1/700化」はこの時の思いつきです。どうせ伸ばすのなら国際スケールに乗っけちゃおうという、昨年のコンVと同様の考えです。

結果オーライで、プロップにはかなり近いバランスになってくれました。


TACマークのデカールですが、当時のデカールがシートごと発見できたものの、見るからに使用不能で、スキャンして自作することにしました。
以前、ZATマーク作った時は旧式の安物プリンタで上手く出来たのですが、今回エプソンの比較的新しい機種でやったら、どうもムラが出て綺麗に刷れませんでした。
よく調べたところ最近のエプソン機のインクは自作デカールシートとは決定的に相性が悪いそうで(泣)
今回は目をつぶって自作した(色むらのある)デカールを使用しました。後日、貼り換え可能なようにデカール後のクリアは無しです・・・

このように、マジメに手をかけて作ったんですけど、2012静岡ホビーショーでは全くといって良いほどお客さんの目に留められなかったです。ZATメカとは違って本当に地味です


■キット概要
ブルマァク製の単品モデル、'72年製の当時モノです。
素組での完成時全長約28.5cm、全幅約14cm。ゼンマイ走行と主翼下面からのミサイル発射ギミックがあります。
またもジャンクプラモの再生です。実家のリフォーム工事に伴い、ジャンク箱からパーツを再生可能な程サルベージできたので。(な訳ですので、箱など有りません。ご了承ください)

放送当時、タックファルコンのプラモはブルマァクからゼンマイ走行の大小二種、マルサンのマスコットサイズ、ばんそうのゼンマイモデル等が発売されてたようですが、
今回の作品はブルマァク製の単品モデルで、ゼンマイ走行の少し小さい方です。
実はこの「少し小さい方」のキットにも二種類あり、発射台が付属するものとしないものがあります。
(実は、今回作成した「発射台が無い」方がレアだったりします。発射台以外は共通なんですけどね)
ちなみに、前述の「大きい方のキット」とは「ジャンボタックファルコン&ダックビル」というもので、その名のとおりダックビル(ゼンマイによるドリル回転&キャタピラ走行)とのセット品でした。
また、後年にマルサン版のマスコットサイズキットだけは童友社から商品名を変更して再販されましたが、その他は一切再販が無く、食玩ブームの時にもなぜかTACメカはハブられてしまい、現在、オークション等ではかなりの高値になってしまっています。

現在の「防衛チーム出撃あっという間の撃墜・脱出」というイメージは、このチームでほぼ固まったように思います。

北斗隊員など、アローで出撃→超獣発見→攻撃のそぶりも見せずに即脱出→変身という、見事なパターンも有りました。(せめて撃墜されてから脱出するとか、一旦着陸してから。とか、すればいいのに・・・)


武装はロケット弾、レーザーなどですが、後日強化され「ゴールデンホーク」という強化ビーム砲が搭載されています。

このTACは、劇中で『MATファイル』と呼ばれるデータベースを使用して作戦を立てたり、
偽・郷 秀樹が持ち込んだ「ウルトラレーザー」銃をその後も自軍の装備として使用したり、異次元突入装置やタイムトラベル装置を開発・使用したりなど、過去のデータ・地球外技術・先進技術を意外と使いこなしています。(殆ど梶隊員一人の功績ですが)
その反面、異次元人による超常事件に対処するべきチームにしては、あまりにも常識にとらわれた判断をする事が多く、翌年のZATと比べ、あまり良い実績はないようです。



そんな、今や高額なブルマァク製キットのプロポーションは、実はあまり良いものではなく、腹ボテで各部の小翼がでかく、アンバランスな形状でした。
マルサンやばんそうのキット、あるいは同じブルマァク版でも「ジャンボ〜」の方はプロポーション良いのですが・・・このキットだけは当時バンダイ等から出てたゼンマイ走行トイ等に近い感じです。

全くの憶測ですが、ひょっとすると当時、採寸元になったプロップにでっぷりした寸詰まりのものが存在していたのかもしれません。
キットの成型色は僅かに緑掛かった銀色一色(経年に拠る変色かも?)で、デカールで色を足す感じです。元々ほぼ銀色一色なのでOKですね。デカール貼る部分も青色ラインのみで僅かなものです。

パーツの合いは当時の品としては良好ですが、今回、胴体の大幅ダイエットと延長を敢行したので、その程度のことは殆ど関係なくなっています



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【モデル解説】
使用キット:ブルマァク タックファルコン(ノンスケール)

登場作品及び設定
『ウルトラマンA』197247日〜1973330日の期間、TBS系で全52話放送
劇中に登場する防衛組織TAC(Terrible-monster Attacking Crew)に配備されている超大型航空機で、戦闘機タックアロー13機を常時搭載し、空中では主翼両端、地上では胴体上面から発進可能

全長:210m 全幅:103.5m 重量:50,000t 最高速度:マッハ6.6 乗員:5名(最大6名)

作者:へてかるぴ



タックファルコン