実車はWR3ですが、ウルフはタイプ名ではなく、単に製作された順番でナンバーをつけていたのでWR1〜WR4まではほぼ同じ仕様だと思われます。(だからきっとも素組みですよん)

キット自体は言うまでもなく非常に良いキットで、
30年近く昔のキットですが、現在でもこのレベルに達していないメーカーがいかに多いのかと思うとなんともいえないですね。

サイドビューでわかるとおりラジエターは金では無く黒です。(WR1の色指定は金色)

しかしセオドールよりもむしろトランスキットで「ヘスケス308Eのペントハウスのお姉さんバージョン」(このキットで言うと側面の”THEODORE RACING”って位置に大きくお姉さんが横たわってるイラストが書いてる)を出した方が売れるんと違うだろうか。(ちょっとボディ中央部が違うんだけど、全体的にはそっくし)
上から。
ちょっとリアウィングが曲がってますね。あとはシートベルトが無いのが殺風景ですかね。
いちばんカッコ良く見える角度かも。
バックミラー下のふくらみは当時のF1にはよくみられるシフト操作用の逃げです。今はパドルシフトなのでこんなのは必要ないですが、当時は右下にシフトレバーがHゲートであったのでドライバーの拳が当たらないようにこういう風に膨らんでいました。

今回は製作時間が無かったのでタイヤは以前作ったロータス78から持ってきました。ただ、グッドイヤーのロゴは黄ばんでいたので塗りなおしました。さすがパクトラタミヤのフラットホワイトですね。(長期間放置でビンの中にカビが生えるという栄養満点な塗料)
アイテム的唯一のウリのドライバーネーム。
アルミモノコックは銀色が映えるのでいいですね。カーボンだと真っ黒なのでいまいち模型としては面白くない。
消火器はデカールでリアル感を割り増し。(笑)
写真が良くなくてパチモノっぽさが倍増です。
スポンサーロゴもメジャーなものがないので、さらに安っぽさ倍増です。右側のフロントカウルがちょっと浮いてますね。
ギアボックス脇のオイルタンクがいい味だしてます。
オーソドックスなヒューランドのギアボックスです。現代のF1のギアボックス2倍くらいの大きさがあるんじゃなかろうか。技術の進歩ってすげぇよなぁ。
タイヤ取ってみた。
今のF1を見慣れてるとサスアームが異常に短く見えるんでしょうね。あとディスクローターむき出しも今では見られませんね。
リアセクションもういっちょ。
ウルフのリアウィングの支持方法は当時のスタンダードの中央支えではなく、下方のパイプで支持しています。当時はウルフとルノーくらいだった気がします。(ウィングカーになってからは翼端板支えが主流になります)

リアアップライト(タイヤつけてる部分)の色はWR1の色指定はゴールドなんですが、セオドールの場合は何色かわからなかったので、とりあえずゴールドにしました。かえってアクセントになってよかったかも。

エアインダクションボックス(ロールバーの後ろにつく)はセオドールで使われていた写真が無かったのでつけませんでした。(左右わけの張り合わせだったので、面倒くさかっただけというウワサも・・・)
下側。(あ、一部塗ってないのがまるわかり)
このキット作ればF1のリア周りの構造が一発で理解できます。「模型は学習」だなぁ。
リアセクション。典型的な「DFVキットカー」な構成です。
エアファンネルのネットは金網を押し出して切り出しました。
スタジオ27も「こんなん1/12でわざわざ作るやつおらんやろ?」と思いつつデカールを発売したと思うが、どっこい私はそんな”おいしい”ネタには目が無いでござるよ。
アイテム的に唯一の売り(?)は
ケケ・ロズベルグが乗っていたということぐらいですが、ケケだからなぁ・・・微妙(笑)。

赤と白のツートンなので、元のダークブルーとゴールドという渋いイメージからは一気に安物っぽいカラーになってしまいました。
でもロールバーの部分にゴールドが残っているのはいいアクセントになっていると思いますね。
06年のホビーショーで「
実車はダサいけど、模型栄えするカラーリングですね」と言われました。うーんたしかにそうかも。
(ちなみに、それよりも「初めて見た」って人の方が大きかった(笑))



【実車解説】
現在ではできませんが、70年代のF1は他のコンストラクターからマシンを購入して(大概は前年度のマシン)参戦することが認められていました。
当然カラーリングは購入したコンストラクターのものに変わるため、いきなり印象が「
安物(パチモノ?)っぽく」なっている場合がほとんどでした。
この
ウルフWR3もそのうちの一台で78年シーズンに香港の大富豪テディ・イップが率いるセオドールレーシングがシーズン後半に投入したマシンです。セオドールは前年まではチームスポンサーで参加したが、78年から自らのチームで参戦しました。シーズン当初はオリジナルシャシーのTR1を使用しましたが戦績が低迷したため、シーズン終盤にウルフチームからWR3を購入して使用した。(ウルフチームもシーズン序盤はこのWR3を使用していたが、WR5に切り替えていたためシャシーを売却した。この時一緒にWR4も売却している。)
ドライバーは
ケケ・ロズベルグ(4年後にチャンピオンになるとはお釈迦様でも思わなかったが)。第11戦ドイツGPから13戦オーストリアGPまで使用したが、結果は10位、リタイヤ、11位と凡庸なものであった。(WR4は14戦イタリアGPで予選落ちの一回だけ使用)

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【モデル解説】
いうまでもなく
タミヤ1/12ウルフWR1です。
実車自体が
マイナー過ぎてろくに資料も無いのをいいことにストレートにWR1のままです。
デカールは以前
スタジオ27からでていたものです。
WR1自体は2度目の製作なので慣れたもので、組み立てそのものは
実質4日ほどしかかかっていません。慣れって恐ろしいですね。(塗装は時間かかってますけどね)
今回の肝はカラーリングですが、赤はモデラーズのイタリアンレッド、白は同じくモデラーズのスーパーホワイト、クリアもモデラーズのスーパークリアという「
めがスタンダード」なカラーリングです。(ちなみにロールバーの金色もモデラーズのゴールド) ちなみにすべて缶スプレーです。
ちょっとだけパイプ類の素材変更と追加をしています。


作者:めが

ウルフWR3(セオドール)(78年)